自分に合った受験校とは?
大学受験をするに当たって、重要なのが志望校と受験校の決め方です。家庭の状況やライフスタイルによって、重視するポイントは様々ですが、今回は塾講師である筆者が、志望校・受験校選びの際に気を付けるべきポイントをまとめてみました。
本当に自分が選んだ学校が良いのか、この記事を読んで考えてみてください。
志望校選びでの重要ポイント8つ:偏差値だけはNG
まず最初に言いたいのは、「偏差値だけで考えるな!」ということです。筆者もそうでしたが、多くの受験生は正直、偏差値のことしか考えていません。
そもそも、偏差値とは大学が公式で出しているものではなく、大手の予備校や塾が、「このレベル帯の受験生なら受かりますよ!」という指標として勝手に作ったものです。実際、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)の大学間には、公式の関係は何もありません。受験生の皆さんは、偏差値とはあくまでも周りの学生のレベル感のことであり、一概に大学のランクを表すものではない、ということを肝に銘じて下さい。
このことをよく踏まえた上で、以下の8つのポイントをよく考えてください。なお、筆者が勝手に順序付けをしています。(1の優先度が最も高い)
- 学費や交通費(奨学金なども)
- 通学時間
- 志望する学部や学科があるか
- 教育内容や教授陣
- 偏差値やレベル感
- 就職の実績
- 入試科目や入試難易度
- 周りの学生の雰囲気
ここからは、それぞれについて詳しく解説していきます。
学費や交通費
払えない学費の大学にはまず行けません。国立大学であれば、ほとんど一律(学部による)であり、私立大学であれば大学ごとに学費が異なります。特に医学部などは学費も相当高いので、奨学金を使えるのかも合わせてよく調べましょう。
また、自宅からの通学距離により、定期券などの交通費も大きく変わってきます。特に片道1時間以上かかる場合は、1か月に1万円以上交通費がかかることもザラですので、その辺りもチェックしてください。
さらに、実家から引っ越して大学へ通いたい場合は、親との話し合いが大切です。一人暮らしとなると経費がものすごくかかります。アルバイトもする必要がありますので、自由な時間は減ってしまいます。
通学時間
大学選びにおいて通学時間は重要なポイントです。毎日往復で2時間ともなると、正直行き帰りの電車だけで大学へ行くのが億劫になります(筆者がそうでした)。目安としては、片道45分以内、往復で1時間30以内だと快適に通学できる気がします。人にもよりますが、往復で2時間以上の道のりはやめておいた方が良いです。どうしても行きたい学校なら仕方ないですが…
志望する学部や学科があるか
偏差値よりも重視してほしいのが、「自分の学びたい分野がその大学にあるのか」ということです。自分にとって役立つことが学べる学部・学科でないと、大学での勉強は疎かになってしまい、結果的にダラダラとした学生生活を送ることになります。実際筆者の周りにいる、「テキトウに学部を選んだ人」は、大学生活をほとんどゲームや遊びに使い果たし、何も得られていない人が山のようにいます。
しかし、「学びたいことなんてないし、分からない!」という受験生が大半だと思います。それは当然です。経済や政治についてほぼ何も知らない状態であるのに、自分がそれを学びたいかどうかなんて分かる訳ありませんよね?
ですから、例えば「将来政治にかかわる仕事がしたい」、「医療系で働きたい」というような軽い気持ちでよいのです。どうせ大学生になったら、やりたいことが色々出来てきて学部以外のことも自分で学ぶようになります。ただ、どうしても学部・学科が選べないという人には、経営学部がおすすめです(マーケティングや商学部、ビジネスという名前でも存在します)。
この理由としては、今の世の中はどの会社が上手くいき、どの会社が潰れるのかということは分からないからです。であれば、自分で稼げるようなシステムを作り上げる力を養う経営学が、みなさんの将来にとって最も役立つと考えました。経営学について短時間で知りたいという人には、経営学の初学者向け参考書をご紹介しておきます。短時間で学べる上、内容も厳選されているため、初心者が経営のことを知るには良い本です。
教育内容や教授陣
学部・学科の次に重要なのが教育内容と教授陣です。例えば、ひとえに経営学部と言っても、大学によって実施される授業は全く別のものです。一応経営学の教科書的知識はどこの大学でも教えてもらえますが、高校のようにすべての大学で全く同じ内容を教えるということはありえません。大学での授業は、教授の趣味・趣向が100%反映された授業になるため、自分にとって良い教授に当たるかどうかで授業の質は大きく変わってきます。
学部・学科だけでなく、自分が学びたいことや研究したいことに近い教育内容の大学を選ぶようにしましょう。教授については、大学のホームページに「シラバス」というものがあり、シラバス内で教授の名前を検索すれば、授業内容を調べることが出来ます。
偏差値やレベル感
先ほど偏差値だけで大学を測ってはいけいないと言いましたが、偏差値は重要な指標の一つです。偏差値が高い学校ほど優秀な学生が集まりますし、やはり就職面でも強いことが多いです。周りが優秀な学生ならば、必然的に自分も環境に揉まれて優秀になれる確率が高いです。就職面に限って言えば、やはり大学の「ブランド力」は大事な要素であり、学生のレベルも元々高いので良い実績が出せると言えます。
しかし何度も言いますが、ブランド力や就職の強さだけで大学を選ばないでください。自分学びたいことが学べる学校を選んだ方が、将来何かアクションを起こそうと思った時に役立つ可能性が高いです。
就職の実績
志望校・受験校を選ぶ上で欠かせない要素が、就職の実績です。基本的には、偏差値的に上位の学校になるほど就職の実績も良いのですが、各大学によって強い分野は異なります。例えば語学系が強い大学であれば、外資系企業や国際部門への就職実績が良かったり、公務員対策を学内で頻繁に実施する大学では公務員への就職が多かったりと、偏差値だけに惑わされずに大学ごとの強みを発見することが重要です。
就活の時期になってから自分の大学の強みを探しているようでは、他の就活生に大きな後れを取ってしまいます。
入試科目や入試難易度
学びたい内容が決まり、上記の条件をよく調べて行きたい大学が決まってから入試について調べ始めましょう。これは、入試科目などを前提に大学を決めると、その大学は自分が本当に行きたい大学ではないため、ころころと志望校が変わりやすいからです。志望校を変えると入試科目も変わるため、結果的に合格の可能性は低くなってしまいます。
入試科目については、自分が勉強してきた・これから勉強しても十分間に合う科目を選ぶようにしましょう。また、得意な科目を活かせる入試制度を選ぶようにしましょう。入試制度によっては傾斜配点(科目ごとに配点が違う)になっているものもあるので、自分の得意な科目の配点が高い入試制度を選ぶようにしましょう。
さらに、同じ大学でも入試制度によって難易度が違います。各入試制度の偏差値や難易度についてもよく調べ、確実に合格できるようなプランを立てましょう。
周りの学生の雰囲気
大学は学びたいことを学ぶ場であるため、上記の1~7の条件を精査すれば志望校・受験校は決まったようなものですが、中には「大学は遊ぶところ!」という考えの受験生も多くいることでしょう。そのような人とっては「周りの学生の雰囲気」が重要です。
例えば、サークルは真面目にやるタイプなのか、飲みや遊びを重視するタイプなのか、学生全体として勉強する雰囲気なのか、遊ぶ雰囲気なのか、など自分の趣味や性格に合っている大学を選ぶことも重要だと言えます。
まとめ
大学を選ぶ際に気を付けてほしいのは、「偏差値だけで選ばない」ということです。学費の次に距離、教育内容よりも入試制度など、自分の重視するポイントに順位をつけて選ぶと良いでしょう。一番大切なのは、「本当に自分が行きたいと思えるかどうか」です。間違っても周りの意見や雰囲気に流されて、自分の大切な進路を選ばないようにしましょう!
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