こんにちは、Keito(@keito_dilige)です。
最近noteを始めて、WordPressで作った本サイトよりも、圧倒的に書きやすいことに気が付きました。この「書きやすい」という感覚は、「記事を書くモチベーションが高まる」とも言い換えられそうです。つまり、noteを使うと、今後の記事執筆作業が捗りそうなのです。
本稿では、このような疑問点から出発して、「結局、ブログとnoteはどう使い分ければ良いのか」という疑問を解消していきます。本稿の前提として、アフィリエイトやアドセンスで収益を高めるために、noteとブログを使い分けたいと思っている人向けに記事を書きます。
目次
結論:両刀使いだと最も効力を発揮できる
結論ファーストで行きます。本稿の結論は、「ブログで有料記事への導線を作り、noteで記事を販売する」という戦略を取ると、最も収益性が高くなるということです。
noteが持つ最大の強みは、記事を有料化した上で、単体あるいはマガジンという形態で販売できることです。従来的なブログでもこのような機能を付加できるものの、noteというブランドと購入に至るまでの手軽さという2つの側面から、noteの方が有料記事が売れやすくなっています。
このような「有料記事のプラットフォーム」という観点でnoteを捉えると、ブログとの棲み分けが見えてくるのではないでしょうか。ただし、noteとブログの違いは他にも存在するため、それらの相違点に触れながら棲み分けの方法を模索していきます。
エディターの相違点:noteはシンプル、ブログは多機能である
まずは、記事執筆時におけるエディターとしての相違点を整理しておきます。
最も重要な論点は、noteはシンプルさを追求したエディターであり、ブログ(以降はWordPressが前提)は多機能性を追求したエディターであるということです。
つまり、noteは純粋に文章を書くためだけのエディターとして機能しており、アフィリエイトやアドセンスといった収益狙いのブログエディターとは、一線を画しています。このシンプルさこそが、noteの強みであり、noteの方が文章を書きやすいという感情を生み出しています(筆者はnoteの方が書きやすい気がします)。
ブログでは、様々な機能が備わっている反面、記事を執筆する際には、それらの機能が意思決定の数を増加させてしまいます。例えば、「要素を並列に並べるなら、このボックスを使おうかな、それともこっちのデザインの方がいいかな……」などと、文章の細かいポイントに気が取られてしまい、本来の目的である記事執筆の速度が遅くなってしまうのです。
その点、noteでは使える機能が少ないゆえに、こういった無駄な意思決定を無条件で排除できます。簡単に言えば、文章を書くことだけに集中できるということです。以上の点から、noteは「純粋な文章を書くのにふさわしいツール」であり、ブログは「魅力の高いコンテンツを作るのにふさわしいツール」と言えそうです。エディターとして注力している点が違うということでしょう。
実際、noteのタイムラインを見ると、純粋に文章を書きたい人が集まっている気がします。日記やポエムが多いのもnoteの特徴でしょう。WordPressや他のブログサービスとは違い、noteは手軽に始められて、シンプルなエディターを有するのが強みです。これらの点から、日々感じた思いを吐き出す場としては、noteが有効なのでしょう。
もちろん、アフィリエイターも多く見かけるのですが、彼らはあくまでも自身のブログやTwitter、他のメディア等から集客を行い、noteで有料記事を販売するという導線を敷いているように見えます。前者の「純粋な文章を書く人たち」とは目的が異なるのです。これは、本稿で提案した戦略とも合致していそうです。
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集客性の相違点:ブログ有利であるものの、noteも躍進している
SEOの観点:短期運用にはnote、長期運用にはブログがおすすめ
Webコンテンツを作成するに当たって重要となる、集客性の観点からnoteとブログを評価してみます。
まず結論として、ブログの方が集客力は高いと言えるでしょう。この理由は様々に存在します。SEO的に言えば、ある分野に特化したブログを作成すれば、その分野におけるSEO効果が飛躍的に高まります。自身でSEO対策を行いやすいのもブログです。内部リンクやタグの最適化を同時に行うことで、長期的にはブログをカスタマイズした方がSEO的な集客力も上がるのではないでしょうか。
その一方で、noteも徐々にではありますがSEO効果を高めています。noteが近年になって高いSEO効果を発揮するようになった理由は、ドメインパワーの高まりや読み込み速度の速さでしょう。大抵のブログよりはドメインの運用歴が長く、コンテンツがほぼ文章であるためにページの読み込みが速いことが、SEOの効果を高めていると言えそうです。
ドメインパワーの恩恵を享受するという意味では、はてなブログ等が同様の状況でしょう。やはり短期的には、大手のドメインに乗っかった方が良さそうです。noteだと、独自のコミュニティ内からの流入が見込めるため、初心者の方はnoteの方がモチベーションを保ちやすいと思います。ブログはどちらかというと長期的視点で運営する必要があり、SEO効果が出るのも数年単位を見込んだ方が良いでしょう。
「集客力≠SEO」に注意せよ
ただし、「SEOに強い=集客力が高い」という方程式が常に成り立つわけではありません。SEOの強度は、あくまでもGoogle検索上における流入経路の太さを表しています。すなわち、SEOに強くても、検索エンジンからの流入以外にはあまり期待ができません。
「集客力」とは、Google検索のみならず、TwitterやYoutube、Instagramなど、様々な集客媒体からの流入を総合した指標のことです。noteは検索には強いものの、ブログに比べればこういった他の集客媒体との繋がりが弱いのではないでしょうか。noteは純粋な文章に特化した媒体であるものの、それが逆にデメリットとなって、他のコンテンツとの結びつけを難しくしている気がします。
その点、ブログではオリジナル性の高いコンテンツやサイト構造を作ることが出来て、自身が持つ他の媒体とも接続をしやすいはずです。文章が主体のnoteよりは、他の集客媒体に見合ったデザインを取り入れることが出来るからです。
その一例として、ブログではサイドバーにTwitterを入れるデザインがあったり、ヘッダー画像にYoutubeを流したりと、文章というよりは「コンテンツ」を作ることが出来ます。あらゆる媒体からの流入と他の媒体への経路を作るという意味では、ただの文章よりも、インパクト性の強いものの方が適しているのは自明です。
ただし、noteも他の媒体を取り入れることが出来る機能を有するので、ここはもう少し議論の余地がありそうです。これらの点から、ブログの方が総合的な集客力が高いという結論が得られます。
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収益性の側面:長期だとブログ、短期だとnoteが最適か
信用力の側面から、noteだと有料記事が売れやすい
ここからは、収益性の側面を評価してみます。
言うまでもなく、noteが持つ最大の強みは、「記事を有料販売できる」ということです。冒頭の結論でも述べたように、ブログでも記事の有料化は可能なものの、「noteというブランド」と「購入手続きの手軽さ」という2つの側面から、noteの方が記事の有料販売を行いやすいです。
さらに、note独自の機能として、マガジンの販売が存在します。従来、ブログの記事有料販売では、単体の記事を販売するのがセオリーでした。しかし、複数の記事を「マガジン」としてまとめて販売する手法は、noteが独自に築いてきた制度と言えるのではないでしょうか。これにより、ある種の特化ブログのような専門性の高いnoteを構築することで、販売者自身のブランディングが行えるようになりました。
マガジンによって作られた専門性の高さと販売者自身のブランド力は、もちろん顧客からの信頼度を向上させ、そのnote(単体記事とマガジンの両方を含む)の収益性を高めることが出来ます。こういった販売者自身の信用力に、noteというプラットフォームの信用力が加わることで、顧客は有料記事を購入しやすくなるのです。要するに、有料記事の信用力を高められるのがnoteの強みということです。
信用力を向上させるのは、Web上で個人活動を行うブロガーには難しい話です。たまたま検索でヒットした名も無きブログに対して、その記事の内容を全面的に信用できる人がどこにいるでしょうか(Twitter上でのインフルエンサーなどは除きます)。このような信用力の側面から、記事の有料販売においては、noteがブログに完全勝利していると言えそうです。
総合力にはブログが高い収益性を誇る:戦略論とマネタイズ手法
しかし、ブログを用いた方が総合的な収益性を高めることが出来ます。この理由を、①戦略論的な観点と、②マネタイズ手法の観点から解説します。
戦略論的には、ブログの方が高い安定性を持つ
noteとブログの違いというと、ふつうはマネタイズ手法がよく取り上げられます(後述)。しかし忘れてはならないのが、「noteは企業によって運営されているプラットフォーム」であるということです。ここを見逃してしまうと、後で取り返しのつかない失敗を招く可能性があります。
ご存知の方は少ないでしょうが、実は、note株式会社(旧:株式会社ピースオブケイク)の2019年決算期における当期純利益は、9,312万円の赤字になっています。貸借対照表をみると、財務的には流動比率や自己資本比率などへの配慮が見られるものの、やはり赤字であるという決算結果に変わりはありません。
赤字から抜け出せない要因は、ユーザー数にあると考えられます。noteの収益源は有料記事の販売から得られる手数料です。そのため、ユーザーが有料記事を販売しなければ、運営側には収益が入ってきません。現状では収益の柱がこの手数料のみであるために、ユーザー数がボトルネックとなってなかなか黒字転換を達成できないのでしょう。
株式会社ピースオブケイクの決算/売上/経常利益を調べ、世間の評判を徹底調査(決算LOGより引用)
本稿はnoteの運営会社を批判したいわけではなく、noteが法人によって運営されている以上、そのプラットフォームが消滅する可能性も視野に入れた方が良いと主張しています。note株式会社はベンチャー企業なので、赤字でもまだ許容できる部分はあるものの、これからも赤字が続くようであればnoteが閉鎖されることもあるはずです。
その場合、蓄積してきたコンテンツはすべて水の泡となり、もちろん収益も0になってしまいます。このように、収益の生命線を他者に握らせることによって、知らぬ間に大きなリスクを背負うことになるのです。
note自体が消滅する以外にも、強力な競合プラットフォームが登場すれば、やはりnoteの立ち位置は悪くなってしまいます。昨今はビジネスの速度が高まっており、数年先の未来を予測することすら困難です。競合他社が登場すれば、やはりnoteに蓄積した時間と努力が無駄になってしまいます。
その一方で、ブログでは自分でドメインを取得し、サイトの構造を定義します。従来的なHTML型のサイトであれば、サイトに必要なものはすべて自分で調達・コーディングするため、他者に生命線を握られることがありません。依存する対象が少ない分、収益を左右されるリスクも低いのです。
ただし、大半のブログはWordPressで構築されているため、WordPressの運営によってはブログの安定性が左右されます。ここには、noteと同じ消滅論が当てはまります。しかしながら、世界的シェアを獲得しているWordPressの基盤が長期的に安定しているのは、説明を行うまでもないでしょう。
なお、ビジネスにおける収益性の議論は、以下の記事でより詳しく解説しています。本稿の議論のベースにもなっています。
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参考ビジネスモデルの収益性を高めるには|経営戦略の観点から
本稿では、収益力の高いビジネスモデルについて、その本質を経営戦略の観点から解説していきます。 筆者は、MBAにて経営戦略と会計を中心に学びました。そこでの学びでは、すべての強いビジネスモデル、あるいは ...
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以上のように、noteには「プラットフォーム自体の消滅」や「競合の登場」などの大局的なリスクが存在します。戦略論的発想に基づくと、ブログの方が長期的には安定感のある収益が確保できると言えるでしょう。
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ブログには、豊富なマネタイズ手法が存在する
ここまででだいぶ長くなってしまいました。2つ目の論点となる、マネタイズ手法の議論に入りましょう。
先述した通り、noteは有料記事の販売という強みを持っているものの、記事を書く側(私たち)からすると、収益源は有料記事の販売額のみに限定されてしまいます。多少のAmazonアフィリエイトは行えるようですが、大手の物販系アフィリエイトから得られる報酬は僅かですので、ここからの収益はあまり期待しない方が良いです。むしろ、有料記事の販売額を向上させる方に注力すべきです。
これに対して、ブログには多数のマネタイズ手法が存在します。パッと思いつく限りでも、基本となるアドセンス広告やアフィリエイト、自己ブランディングに基づいたWeb系コンサルティング、メールマガジンからの誘導やサロン等のコミュニティ運営に繋げるなど、様々な方法でマネタイズを行うことが出来ます。note単体でこれだけの収益源を築くのは至難の業でしょう。
アフィリエイトを例に出せば、ブログではアフィリエイトに特化したサイトを構築することが出来ます。noteは文章がメインですが、ブログでは物販に特化したデザインを付加することで、アフィリエイトの売上を限界まで高めることが出来るのです。つまり、ブログだと様々なマネタイズ手法に最適化させることが出来るのです。
こういったマネタイズの側面からブログとnoteを比較すると、収益源を豊富に有していて、かつ各マネタイズ手法に適したサイトデザインを構築できるブログの方が、総合的な収益性を高めやすいはずです。noteでは有料記事の販売がメインになるため、収益経路が少なく、その販売額の大きさも見込めません。
ただし、noteの強みは「短期間で収益を上げやすい」ことにあります。先述の通り、プラットフォーム自体の信頼性と購入の手軽さがこの要因になっています。単発の記事販売や、短期的に少ない収益を望んでいる場合には、noteは有益なプラットフォームと言えるでしょう。
以上から、長期的に大きな収益を期待している場合には、ブログを運営する方が最適と言えます。逆に、短期間でパッとお小遣い稼ぎを行う場合には、noteが適していそうです。
結局、どう使い分ければいいのか
以上では、noteとブログの違いを列挙してきました。今一度、相違点を整理しておきます。
noteとブログの違い
note | ブログ | |
---|---|---|
エディター | シンプル | 多機能 |
「文章」向け | 「コンテンツ」向け | |
集客性 | プラットフォーム自体が強くなっている | 長期運用しないと弱い |
コミュニティ以外からの流入経路が少ない | 流入経路を自由に増やせる | |
収益性 | 有料記事の販売に特化 | 様々なマネタイズが可能 |
短期・単発&少額の利益に向いている | 長期運用で大きな利益 |
このように、noteでは持続的で大きな収益は見込めないものの、純粋に文章を記述するエディターとしては優秀であり、記事の有料販売が可能になっています。それに対し、ブログでは運用方法によってマネタイズの幅と収益額を広げることが可能な一方、初期段階でスピード感のある結果を出すのは難しいと言えそうです。
したがって、初心者はnoteでWebコンテンツ制作を始めてみて、慣れてきたらブログやWebメディアに移っていくことで、将来の資産づくりに貢献できるのではないでしょうか。noteだと文章を書きやすいため、初心者でもモチベーションを保つのが比較的容易ですからね。
noteとブログを組み合わせる戦略は有効である
最後に、noteとブログを両方使っていく戦略をご紹介して、本稿を総括したいと思います。
筆者が最も有効だと考える戦略は、ブログで集客の導線を作って、noteの有料記事販売へと繋げていく戦略です。noteのデメリットは流入経路の少なさにあります。逆に言えば、安定した流入経路を確保できさえすれば、ブログと同じように持続的な収益を得ることが出来るのです。
ここで、多くのブロガーは自身が所有するコンテンツからnoteへの導線を作ることに成功しています。例えば、何かの分野で検索1位の記事を持っていた場合、Google検索から毎日の安定的なアクセスを得られるでしょう。そこで獲得したユーザーに対して、ブログでは語りつくせない有益な情報を、noteの有料記事販売に繋げるのです。
こうすることで、noteの弱点である流入経路を克服した活用法を見出すことが出来ます。集客媒体を繋げやすいというブログのメリットを活かした、賢い戦略と言えるでしょう。従来、ブログには収益源が広告やアフィリエイト、コンサル程度しか存在しなかったものの、ブログの主力コンテンツである「文章」を売れるようになるのは大きいですよね。
以上で本稿の内容を終わりたいと思います。ブログとnoteを使い分けて、ぜひ将来の資産を築いてください。著者のKeito(@keito_dilige)はTwitterをやっていますので、気になればフォローをお願いします!