ページのまとめ
英会話学習者向けに、英会話で重要なスピーキング能力を鍛えるメソッドが書かれた「NOBU式トレーニング」の紹介をします。全体的に優れた本で、しっかり使いこなせばスピーキング能力は間違いなく上がります。
目次
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NOBU式トレーニングの基本情報
NOBU式トレーニングとは?
「英語のスピーキングが驚くほど上達するNOBU式トレーニング」は、山田暢彦先生が書かれた、スピーキング能力を上げることに注力したメソッドです。文法書というよりは、実践的な英会話の練習本というイメージです。今回紹介するのは、理論編とも呼べる方で、基礎的なトレーニングに集中しています。そして、基礎練習が終わった後には「実践編」で実際の英会話で運用できるレベルを目指すメソッドとなっています。また、基礎編と実践編の総まとめとして、「コンプリートコース」が存在します。基礎的な本の情報はこちら。
著者 | 山田暢彦(Yamada Nobuhiko) |
発行所 | IBC パブリッシング株式会社 |
版 | 2016年 4 月 5日 第1版発行 2018年 1 月11日 第2版発行 |
対象レベル | ・英会話初級~中級レベル ・単語や文法は分かるが、口から英語が出ない人向け ・文法的には中学3年生まで |
形式 | ・英語→日本語のINPUT編 ・日本語→英語のOUTPUT編 |
CD・音声 | MP3形式のCD付き |
分量 | 190ページ(本編は163ページ分) |
付録など | 巻末に細かな文法事項の解説あり(不規則動詞など) |
どんな人におすすめ?
NOBU式トレーニングは以下のような人におすすめです。記事の後半では理由となるメリット・デメリットをご紹介します。
こんな方におすすめ
- 単語や文法は分かるが、口から英語が出てこない
- 中学英語からやり直し、話せるようになりたい
- 基本的な文法を効率良く復習したい
- コスパの高い英会話教材が欲しい
- スキマ時間で出来る教材が欲しい
著者紹介
著者である山田暢彦先生の紹介です。
山田暢彦(Yamada Nobuhiko)
米国ニュージャージー州出身、慶應義塾大学(SFC)卒業。現在、NOBU English Academyを主宰。英語・日本語のバイリンガルとして、英語を習い始めた小学生から、ビジネスマン、英語講師、ベストセラー作家まで、幅広い受講者に”使える英語”を教えている。長年の経験で培ったわかりやすい解説と実践的な指導には定評があり、出版界・教育界からの信頼も厚い。監修した『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』(学研)参考書シリーズは記録的なベストセラーとして全国の学校・教室で使用されているほか、『絵で見てパッと言う英会話トレーニング』(学研)など、大ヒットの英会話本も多数執筆している。また、バイリンガルとしての素養を活かし、複数の出版社で英和・和英辞典の執筆委員も務めている。TOEIC連続満点、国連英検特A級、英検1級。趣味はテニス、料理、ギター弾き語り、家族と遊ぶこと。1980年生まれ。
『英語のスピーキングが驚くほど上達するNOBU 式トレーニング』より引用
NOBU式のメリット・効果
この本では以下のような効果が得られます。
ココがメリット
- 中学で習う基本的な単語・文法を会話レベルで使いこなせるようになる
- 「修飾語句を後から付け足していく」という英語特有の感覚が身に付く
- 正しい発音を身につけられる
- ネイティブにも違和感のない自然な例文
- リスニング力のUP
基本的な単語・文法を固める
英語初心者でも英語を学べるように、それぞれのページに簡単な解説がついています。ネイティブの感覚を取り入れた解説で、教科書的なものではなく分かりやすいです。「英語を学んだのは十数年前で、単語と文法なんて分からない……」という人も基礎的な部分からしっかり復習して始められます。習った文法はINPUTトレーニングですぐに実践でき、OUTPUTトレーニングで確認が出来ます。初心者にも配慮した優しい設計となっています。
ただし、英文では中学校で習う単語をどんどん使うため、あまりにも単語力がないと厳しいかもしれません。その場合は、さらに簡単な参考書から始めてみましょう。こちらがおすすめです。
こちらも山田暢彦先生が書いた本で、中学英語を丁寧に解説してくれています。特徴は、山田先生自ら動画で解説をしている部分で、本を読むのが面倒な人にも分かりやすい内容となっています。
付け足しの感覚をトレーニング
NOBU式トレーニングでは、単語や文法を学ぶことよりも、実際の英会話で英文を作れることを目的としています。練習としては、最初は短く基本的な文章を作るところから始め、レベルが上がるにつれ、だんだんと長い英文を組み立てられるようになります。その際、中学で習った文法を使って説明してくれるので、非常に分かりやすい内容となっています。単語や文法は分かっているが口から英語が出てこない、という人にはとてもおすすめの一冊です。後から説明を付け加えていくという、日本語にはない英語特有の感覚を身につけられる数少ないメソッドです。
英会話が出来ない人は、日本語の考えにつられて英語を出すことが出来ていないので、英語の感覚を無意識のうちに使えるようになれば、必ず英語が話せるようになります。「英語の感覚」を身につけられる本としては優秀なものが、NOBU式トレーニングです。
先生自身による発音
OUTPUT編の男性の声は、山田先生自身が録音されています。他の英会話教材の音声と違い、こちらの音声はゆっくりしたものになっています。初心者でも聞き取りやすいスピードで、丁寧な発音をしてくれるので、実際の英会話でもそのまま真似して発音すれば良いだけです。
ネイティブ感覚の例文
"I have a pen."は誰もが見たことのある例文です。しかし、同時 に誰もが使わない例文でもあります。NOBU式トレーニングでは、こういった無意味な例文をなくし、ネイティブの会話で実際に使われそうな自然な例文を採用しているところがポイントです。すぐに実践できる所が良いですね。
リスニング力のUP
この本では非常に簡単な例文からトレーニングをし、だんだんと長い英文を作る練習をします。簡単な英文から音声を使って学習することで、自然な発音が無意識のうちに身に付きます。基本的な部分の発音を短い例文で覚えられるので、長い英文になっても発音に困ることはありません。特に、リンキング(音と音が繋がる)のリスニングが苦手な人にはとても良い練習になると思います。この本の音声に合わせて自分で発音する練習をすると効果が高まります。
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NOBU式のデメリット
NOBU式トレーニングで惜しい部分はこちらです。
ココが惜しい
- 肯定文が多く、否定文と(特に)疑問文の練習が少ない
- 1つ1つの文法事項は実践編で補う必要がある
どちらもページ数など、出版に際しての分量調整だと思われます。特に疑問文の練習が足りていないのは痛く、実際の英会話で自ら質問を投げかける練習があまり出来ません。実践編でも基本は応答形式なので、自分から会話を始める練習には向かないでしょう。あくまでも相手からの発話に対して応答する、という場面を想定しています。
また、これもページ数の関係で仕方ないですが、1つ1つの文法事項に対しては、1つの例文しか用意されていないことが多いです。その文法事項を実践レベルで身につけるためには、ほかの参考書で練習したり、あるいは自主的にその文法を使って会話するなど、積極的に学んだことを実践していく姿勢が欠かせません。しかし、英会話を学ぶということは自分から積極的に学習するということなので、これは欠点とは呼べないかもしれません。
NOBU式の使い方
ステップごとに見ていきましょう。
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1INPUTで基本事項を確認
まずは本の指示通り、INPUTで基本的な例文をCD音源に合わせて発音しましょう。英会話の練習において、「発音」は特に大事です。テキストを見なくてもシャドーイング出来るレベルまで発音します。こうすることで、その発音が体に刻み込まれ、リスニングでもスピーキングでもその発音を使えるようになります。例文ごと覚えてしまえば実際の会話でも応用できるので、何度も何度も音源を聞くことが重要です。
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2OUTPUTで実力チェック
INPUTで文法をしっかり頭に入れた後にOUTPUTに進んだ方が良いです。INPUTの内容が口からスラスラ言えない状態でOUTPUTに進んでも、同じことの繰り返しになってしまいます。まずはINPUTの内容を反復練習し、OUTPUTで本当に体得できているかを確認します。
このときもCD音源に合わせて発音するようにしましょう。実力チェックが終わった後には、OUTPUTの例文をスラスラ言えるようになるまで練習します。これでその章の文法事項を体に染み込ませることができ、実際の英会話で運用できるレベルになります。
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3反復練習/実際に英会話
実際に英会話できる環境がある人は、NOBU式トレーニングで学んだ「後から付け足す感覚」を意識しながら、実際に英会話を行ってみましょう。以前よりも英文が繋がる感覚がすれば、NOBU式トレーニングの効果が十分に出ています。環境がない人は、とにかく反復練習を心がけましょう。英語は毎日毎日触れていないと、いつのまにか離れていってしまいます。頭で考えるより先に英語が口から出るようになるくらい練習します。こうすることで、実際の会話でも運用できるレベルになります。
まとめ
NOBU式トレーニングは、コスパの非常に高い優秀な英会話教材です。特にスピーキングに注力しており、英文をどんどん繋げていくという感覚を体験できると思います。毎日反復練習して、英会話を出来るようになれば、未来を大きく変えることが出来ます。気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。
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