ページのまとめ
色々な文法が混ざった複雑な受動態について解説します。
受動態の基本
受動態は、「be動詞+過去分詞」でした。be動詞を主語の単数複数や時制に合わせて変化させ、そのあとに来る動詞は過去分詞形にするのが受動態の作り方です。意味は、「~される・られる」になります。
受動態の基本については以下のページで紹介しています。
色々な受動態
進行形は、「be+~ing」ですから、受動態と合わせると、「be+being+過去分詞」となります(詳しくは基本の記事を参照)。この考えを発展させると、未来形や完了形と混ぜることが出来るようになります。
未来進行形と受動態
未来進行形は、「(ある未来の時点で)~されているだろう」という意味を表し、「will+be+~ing」で表されます。ここに受動態の考えを用いると、~ingの部分が「be+過去分詞」となるので、最終的には「will+be+being+過去分詞」となります。日本語自体も少し難しいですが、例文で確認してみましょう。
例文
He will be being seen by many people at noon tomorrow.
「彼は明日のお昼には、多くの人に見られているだろう。」
現在完了進行形と受動態
現在完了形は、「~されている(きた)」という、過去のある時点から現在までの時間の流れを表す時制です。英語では、「have+過去分詞」で表されます。また、進行形は「be+~ing」なので、現在完了進行形は、「have+been+~ing」となります。
ここに受動態が加わると、進行形の~ingの部分が受動態の「be+過去分詞」に変化します。~ing部分がbeingとなり、そのあとに受動態の過去分詞が来るということです。最終的に、現在完了進行形の受動態は、「have+been+being+過去分詞」となります。意味は、「(過去のある時点から今も)~されてきている」となります。
現在完了形と現在完了進行形の違いは分かりづらいので解説します。
現在完了形は、「(過去のある時点から)~されている」という意味を表す一方、進行形が加わった現在完了進行形は、「今~している」というニュアンスが強くなります。現在もその動作が続いていることを強調したい場合は、現在完了進行形を使うといった具合です。受動態にしてもそのニュアンスは保たれます。例文を見てみましょう。
例文
Tax rate has been being raised since 20XX.
「税率は20XX年から(今も)引き上げられている。」
未来完了形と受動態
未来形は、「will+動詞の原形」、完了形は「have+過去分詞」で表されるため、未来完了形は、「will+have+過去分詞」で表されました。ここに受動態が加われば現在完了形と受動態のときと同様の変化が起こります。結果的には、「will+have+been+過去分詞」となり、未来完了形の受動態の意味は、「(未来のある時点まで)~されているだろう(動作が終わっている)」となります。日本語では時制がはっきり定まっていない部分もあるため、未来完了形の理解は難しく、混乱するはずです。例文で理解しましょう。
例文
The draft will have been finished by Paul at noon.
「その下書きはポールによってお昼までには終わらされているだろう。」
未来完了進行形の受動態
もはや日本語として意味が分からないですが、未来完了進行形を受動態にした場合の解説です。まずは未来完了形「(未来のある時点まで)~されているだろう」と進行形「~している」を混ぜて、未来完了進行形、「(未来のある時点でも)~されているだろう」という意味になります。
ニュアンスの違いとしては、未来のある時点まで動作を繰り返し行う場合(動作動詞とも言います)は未来完了形進行形、knowやliveなどの「動作を繰り返すわけでない動詞(状態動詞)」の場合は未来完了形を用います。何度も何度も繰り返すイメージ(走るなど)のときは進行形にして、単発の動作(知るなど)は通常の完了形を用いるとイメージです。
未来完了進行形の受動態が英語になると、「will+have+been+being+過去分詞」ということになります。とても長いので覚えようとはせずに原理を理解してくださいね。
例文
The bicycle will have been being used by Paul until his mother come back.
「その自転車は、彼の母親が返ってくるまでポールに使われているだろう。」
まとめ
受動態が他の時制や進行形と結びつくと厄介ですね。しかし、一つ一つの文法に照らし合わせて考えれば、暗記せずとも受動態を作れるはずです。英語は非常に論理的な言語なので、原理を理解して受動態をマスターしてください。