本稿では、レポートの基本となる事項、内容の考え方など、レポートに関することを網羅していきます。簡単なレポートや論述試験に関しては、本稿の内容を踏まえれば十分な物が書けるはずです。形式面に関しては、求められるフォーマットをしっかり確認することが重要です。
目次
レポート・論述共通編
はじめに、論述の基礎力を高めたい人は、以下の記事を事前に読んでみてください。本稿の内容が入りやすくなるはずです。こちらの記事では、論述の骨格を作るための3つの要素について解説しています。
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論述とは|優れた書き方を例文で実践
2020/9/25
本稿では、論述についてお悩みの皆さんへ向けて、論述の極意をお伝えします。本稿はどちらかと言えば初心者向きであるものの、文章の骨格である「論述」について改善の方法を詳しく解説していますので、レポートや論 ...
読みやすい文章
高評価を得やすい文章は、以下の条件を満たしています。
- オリジナル性の高い文章
- 信頼できるデータを基にしている
- 整理された文章構造
- 一文の長さが適切
- 修飾語が少ない
- 難しい語彙が連続しない
- 誤字脱字がない
これらの条件を満たしている文章は、一般的に「読みやすい文章」とされます。「読みやすい文章」とは、「相手に伝わりやすい文章」のことです。自分の主張を相手に正しく伝えて初めて、あなたの文章が意義を持つようになります。
レポートを評価する側は、まずレポートの形式をチェックし、次に学生が自分の主張を正しく伝えられているかを見ます。根拠がはっきりしていて筋も通っていれば、教授は自ずと高評価を与えるはずです。
それでは、レポート・論述に共通する「読みやすい文章」の書き方を、上記の7項目に基づいてご紹介していきます。
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オリジナル性を出す
※まず、インターネットや本から文章を「パクる」のは厳禁です。論文を読み慣れた教授からすれば、学生が書く文章のレベルは低いものであり、あまりにも高度な文章が提出されると逆に疑ってしまうものです。パクることは、自分が成長する機会を逃すことに繋がります。長期的に見て自分の損失になってしまうので、本稿では自力で文章を書くことをお勧めしておきます。
文章にオリジナル性を持たせるコツは、「自分の頭で考える」ことです。出題された問題に対し、自分が日ごろ思っていることを整理します。ここでは自分の好きなように考え、その論点を書きだします。
そして、自分の考えが整理出来たら、その意見をサポートできるような文献を探します。この際、文献は実際の事件データや著名な学者が書いた本などから見つけましょう。
【課題 → 意見 → 文献の探し方】
課題 | 第二外国語は学習するべきか |
意見 | 頭が良くなるので学習するべき |
文献 | ・第二外国語を習得することで、頭が良くなった文献を探す
・著名な学者の本から、自分と似た意見を探す |
自分で文章の根幹部分を考えていますから、文章展開がしやすくオリジナル性の高い文章を作ることが出来ます。さらに、自分の意見と似たような文献を探しているので、文献が強力なサポートとなり、自分の主張の正当性を高めることにも繋がります。
最初から学者の意見をアテにするのではなく、まずは自分の考えを大雑把に書き出し、そこから論を組み立てるようにしましょう。その際、自分の意見を補強する文献探しも忘れずに。
データの信頼性を高める
内容面よりは形式面に近く、教授が重視するのがデータの信頼性です。例えば、怪しいサイトで見つけたデータと、内閣府が公表しているデータはどちらが信用できますか? 当然内閣府ですよね。
レポートや論述問題では、データを基に論を展開します。つまり、データの信頼性が低ければその文章の信頼性も低い、ということになるのです。逆に信頼性が高ければその主張は正当性が高いものと見なされます。
信頼できるデータとは、政府や公的機関が公表しているデータのことです。基本的には内閣府や財務省、総務省や日本銀行などが出しているエクセルデータ等を用いて自分の主張を補強します。また、それらのデータを用いて自分で図や表を作成したものでも信頼性は保たれています。
注意すべき点は、政府や公的機関以外のサイトからデータを取り出すことです。これらのサイトからデータを引用するのは間違いではありません。ただし、そのサイトで使われているデータが、政府や公的機関が公表しているものを用いている場合に限ります。
自分で信頼できるデータを使って分析をするのが一番ですが、それが難しい場合は他サイトの信頼性をよく確かめた上で、データを用いるようにしましょう。
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文章構造を整える
「文章構造を整える」とは、内容ごとのまとまりを段落として表現することです。通常、論を展開する場合には論点がいくつかあります。その論点を段落として分け、読者が主張を簡単に掴めるようにするのが、文章構造を整える理由です。
冒頭でも紹介したように、以下の記事では「論述の骨格」を解説しています。本稿と合わせてご覧いただけると、表現力をより向上させることが出来ます。
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論述とは|優れた書き方を例文で実践
2020/9/25
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文章を書くのに慣れてくると意識しなくても構造が整いますが、初心者にとって一番難しいのがこの部分です。よって、ここでは文章構造を整える2つのパターンをご紹介します。ただし、2つのパターンに優劣などはないので好みで選んで下さい。
論点・主張宣言型(易しい)
【例】
課題 | みかんとリンゴ、どちらを食べたいか? |
意見 | リンゴ |
論 | 私はリンゴが食べたいです。その理由は3つあります。 第一に、赤が好きだからです。 第二に、リンゴの方が食べた気がするからです。 第三に、リンゴの方が美味しいからです。 よって、私はリンゴを食べたいです。 |
「論点・主張宣言型」の構造では、「結論 → 論点数の提示 → 第一に~第三に → 結論の復唱」が基本の形となります。ポイントは最初と最後に結論を言う点と、「第一に」などの言葉で論点の変化を明確にする点です。
最初に結論を言うことで主張をはっきり伝え、最後にもう一度結論を言うことで主張を印象付けています。最後まで読む頃には、読者はあなたの主張が何だったか忘れているので、主張を思い出させてあげるという配慮です。
また、「第一に」の言葉を使うことで、文章構造を意識して書くのが苦手な人でも、自動的に構造を整えられる効果があります。構造を考えずに書けるので、難易度は低く取り組みやすいのがこちらです。初心者は迷わずこちらを選べば問題ありません。
論点・主張宣言型に慣れてくると、自分が書きたいことを思うままに書けるようになります。読者にとっても分かりやすく、マスターできれば文章力がかなり上がります。
ただし、問題点が一つだけあります。それは、「印象に残らない」ことです。周りも同じような構造を取る可能性が高いため、主張がしっかりしていないと印象に残りづらいです。内容面に自信がある場合は全く問題ありませんが、「かっこ悪くなる」ことは覚えておいてください。
分析 → 主張型(難しい)
【例】
課題 | みかんとリンゴ、どちらを食べたいか? |
意見 | みかん |
論 | 私はみかんが食べたいです。
みかんを分析すると、シネフィリンや、ヘスペリジン、βクリプトキサンチンなどの成分が含まれています。 |
「分析 → 主張型」の構造では、「主張 → 課題の分析 → 主張」が基本の形となります。「論点・主張宣言型」と違う点は、論点数を提示しないで深く分析する点です。課題に対して分析を行ってから、それをまとめて主張します。
この型のメリットは、「文章が面白く・かっこよくなる」点です。「第一に」などの言葉がないので構造がガチガチになりすぎず、自分の自由なスタイルで書くことが出来ます。また、理由 → 結論の順に話が進むので、読者の頭にすんなり入る文章が書けます。上手く書ければ、面白く分かりやすい文章が出来るはずです。
また、もう一つのメリットは「一つのことについて書きやすい」ことです。課題に対し複数の論点を持つのではなく、1つの論点を深く掘り下げたい場合はこちらの型が有効です。先に論点を宣言するよりも、順々に論点を追っていく「分析 → 主張型」を用いることで、狭く深い内容でも分かりやすく伝えることが出来ます。
一方、この型には「文章構造が崩れがち」というデメリットがあります。分析のパートが長引くと内容のまとまりを作るのが難しく、今何の話をしているのか分かりづらくなります。その結果、論点がいくつあるのか分からなくなるので、最終的な主張も根拠が掴めない状態になりがちです。
構造が崩れるのを防ぐには、「分析 → 主張型」と「論点・主張宣言型」を融合させると上手くいきます。
具体的には、分析のパートで分析がいくつあるのかを宣言する、ということです。今から分析することが3つあるなら、最初に、「これから〇〇と☓☓と△△の3つの論点を詳しく分析する」と宣言します。結論ではそれらの分析を考察してまとめ、最終的な主張を導きます。
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一文の長さを適切にする
読みやすい文章を書くためには、一文の長さを調整する必要があります。適切な一文の長さとは、「リラックスして読める」長さです。読んでいて疲れるような文章ならば、その一文は長いと言えます。例を見てみましょう。
長すぎる一文
テレビのCMには莫大な広告費がかかっているが、企業がなぜたった数秒のために多大な投資をするのかと言えば、実際CMが流れている時間には視聴者はテレビの前から動かないからであり、そのたった数秒で測り知れないほどの利益を得られるからである。 |
適切な長さの一文
テレビのCMには、莫大な広告費がかかっている。企業はたった数秒のために、このCMに多大な投資をする。この理由は、視聴者はCM中にテレビの前から動かないからである。このたった数秒で、企業は測り知れない利益を得られるのである。 |
どうでしょうか。長すぎる一文は多少無理やり感がありますが、読みづらいですね。対して適切な長さの一文は、リラックスして読むことが出来ます。
ここでは、一文の長さを調整するテクニックを3つご紹介します。
- 「、」は多くとも2つ
読点があると文章が読みやすくなります。しかし、読点が多すぎても問題です。感覚的には、多くとも2つまでにしておきます。
- 「。」で文を切る
読点で文章を区切るくらいなら、句点(。)で文章を終わらせた方が読みやすいです。リラックスしたまま読める分量で句点を打ちましょう。
- 長い言葉を言い換える
例文では、「実際CMが流れている時間」→「CM中」のように、言葉を短縮しています。長い言葉は出来るだけ短い言葉に言い換えましょう。
- 接続詞を正しく使う
何でもかんでも読点(、)で区切るのではなく、句点(。)で一文を区切り、接続詞で新たに一文を始めます。この時、接続詞(つまり、したがって、など)を正しく用いることで、文章の繋がりが良くなります。
修飾語を削る
文章を読みづらくする要因の一つが修飾語です。修飾語を使うと詳しく説明が出来るものの、冗長な説明になりがちです。
よって、必要な修飾語以外は削ってしまうのが良いでしょう。詳しく説明するよりも、読みやすさを重視して下さい。
【修飾語が多く読みづらい文章】
課題 | なぜ学歴社会となったのか? |
意見 | 高学歴の人材ほど有能な確率が高いから |
論 | 学歴の歴史は古いですが、現在に至るまでに学歴社会が発達した背景として、企業側の視点から見れば、高学歴の人材ほど企業にとってより良い働きが出来る可能性が高いから、という理由があります。 |
意見は「高学歴の人材ほど有能な確率が高い」ということですが、修飾語が多すぎて主張が伝わりづらいです。ここでは、不要な修飾語を切り捨ててみましょう。
【修飾語を削った文章】
課題 | なぜ学歴社会となったのか? |
意見 | 高学歴の人材ほど有能な確率が高いから |
論 | 学歴社会が発達したのは、高学歴な人材ほど企業にとって良い働きが出来るからです。 |
大胆にも、「学歴の歴史は古いですが」、「現在に至るまでに」、「企業側の視点から見れば」の部分を消しました。また、「より良い」の「より」を削ったり、「可能性が高いから、という理由があります」を「~からです」に変えました。
読みづらい文章では、前置きの部分は主張と関係ないので必要ありません。また、「より」は読みやすさを重視して排除しました。「~からです」に変えた理由は、「~という理由があります」よりもシンプルで分かりやすいからです。
自分の主張を正しく伝えるためには、リラックスして読める文を書くことが大切です。目に入った時に、「読みたくない」と思われた時点で負けです。シンプルで分かりやすい文章を心がけましょう。
難しい語彙を使わない
特に例文を出すことはしませんが、例えば「難解」→「難しい」など簡単な言葉に言い換えましょう。むやみに難しい語彙を使うことはお勧めできません。
テーマが学術的になると、難しい語彙を使う必要も出てきますが、そのような言葉は専門用語のみにしておきましょう。専門用語を使いつつ、他の言葉は分かりやすいもので固めるのが良いです。
誤字脱字が少ない
【誤字脱自が多い文章は、信用性欠くだけでなく読みづらいです。誤字に関してはまだ良のですが、脱字に関しては気になって止まることが多いです。文章を描いた後には、必ず見直しをするようしましょう。】
さて、誤字脱字が非常に気になることをお分かり頂けましたか? 詳しい解説は省きますが、上の文章での誤字脱字は5か所です。最低1回は読み直ししましょう。
語調の整え方
語調を整えるポイントは、同じ語尾・接続詞を使うことです。事実を述べる文章であれば、「~である」で統一することで文章の質が上がります。
そして、多くの学生は語調を正しく使えていません。語調を統一することで文章に一体感が生まれ、読者にとって分かりやすい文章となります。まずは、レポート・論文で使われる語調をご覧ください。
【レポート・論文の語調】
語尾 | 事実 | ~である |
主張 | ~である、~と考えられる、~の必要がある | |
~すべきである、~と言える | ||
否定 | ~はない、~ではない、~できない | |
~とは言えない、~は誤りである | ||
疑問 | ~だろうか、~ないだろうか | |
推測 | ~だろう、~であると推測できる、~と思われる | |
~の可能性がある | ||
願望 | ~を求める、~を求めたい。~したい | |
一般論 | ~だと言われている、~だと信じられている | |
接続詞 | 結論 | したがって、ゆえに、そのため、つまり、よって |
言い換え | すなわち、言い換えれば、換言すると | |
逆説 | しかし、しかしながら |
こちらの表は、学生が間違えやすい語尾・接続詞をまとめたものです。これらの語調で文章を統一すれば、一気にレポート・論述の質が上がります。特に初心者はこちらの表から言葉を選べば問題ないです。
コラム:「だ・である調」ではなく「である調」
一般的に、レポート・論文の語調は「だ・である調」と言われています。しかし、上の表を見れば分かる通り、「だ」は基本的に使っていません。この理由は、論文で「~だ」という表現が使われないからです。実際に論文を読むと分かりますが、普通は「~である」という表現を用います。
学生は強い印象を与えるために、「だ」の表現を好んで使います。しかしながら、論文では事実に基づいた論理展開が求められるので、基本は「である調」を用いるべきでしょう。
レポート編
レポートは「形式」が重要
レポートは内容よりも「形式」を重視して下さい。大学では、形式が整っている時点で半分は点が入ります。逆に形式面が崩れていた場合、その時点でレポートが0点になる可能性もあります。
指定された形式に合わせる
大学ではレポートの内容とともに、フォントなどの細かい形式が指定されます。その形式に従っていない限り単位はありません。まずは、指定された形式に合わせることを念頭においてください。
基本の形式
特に形式が指定されていない場合に備え、基本の形式をご紹介します。なお、Wordファイルでの提出を想定しています。紙面での提出の場合は、表紙を付けることとホチキス止めをすることを忘れないで下さい。
- タイトル
レポートの内容を表すのに適切なタイトルを付けます。フォントは基本が明朝体、あるいはゴシック体で、サイズは18ポイント程度とします。タイトルのフォントやサイズについては教授が拘る場合が多いので、一度聞いてみた方が良いです。
- 学年、学科、氏名、学籍番号、担当教員など
フォントは明朝体、サイズは14ポイント程度にし、中央揃えか右揃えとします。
- 内容
自分が課題に対して考えたことを、簡潔に分かりやすく書いていきます。約5行ごとに意味のまとまりを作り、改行をすると文章が読みやすくなります。
- 引用
文中で学者の意見を引用したい場合には、正しく引用を行う必要があります。
引用の仕方は、「著者(出版年)」を文中に入れます。
【例】真面目マン(2018)によると、レポートの書き方は~
- 参考文献
一番重要なのが参考文献です。参考文献の書き方は、「著者名(出版年)、『タイトル』、出版社」の順に書いていきます。各項目の間には読点を打ちます。
【例】真面目マン(2018)、『レポート・論述の書き方』、真面目出版
英語著書の場合は、「著者. (年, 月 日付). タイトル. 出版地: 出版社」の順に書いていきます。カンマとピリオドの後には必ず半角スペースを入れます。また、タイトルは斜体とします。
【例】Majime, T. (2018, September 17). How to improve your writing skills?. Tokyo: Majime Publisher (名前が田中真面目の場合、田中のT)
内容で高評価を取る
形式面を整えたら、後は内容で勝負していきます。レポートは時間がたっぷりあるので、内容を練り上げてから取り組んでください。
レポート課題ではほぼ満点の私が、内容面で意識しているのは以下の4点です。
- 読みやすい文章を書く
これについては言うまでもありません。本記事でも紹介しているので省きます。
- 論理展開の矛盾をなくす
文章を読まれたときに、「ん? これっておかしくない?」と思われたらアウトです。自分の主張に矛盾がないかよく確認します。筋道の立った理論であれば、基本的に減点をもらうことは無いです。
ただし、論理展開を意識するあまり、つまらない文章になってはいけません。オリジナル性は強調していきましょう。オリジナル性があって筋道も立った理論ならば無敵です。
- 信頼性の高い文献を増やす
他の学生と大きく差が付くポイントがここです。大抵の学生は参考文献を1つか2つほどしか持ってきません。そこで、私は最低3つ、多くて5つほどは文献を引用しています。
引用する文献が多いほど、自分の主張をサポートできます。それぞれの文章に根拠を持たせることが出来るので、主張の正当性が高まります。長い本の中から一文持ってくるだけでも十分です。とにかく参考文献を使いましょう。
- 文章は短く、内容は濃く
ほとんどのレポートでは字数制限があります。冗長な文章を書けばすぐに制限時数に達するので、私は文章を出来るだけ短くしています。
文が短いということは、内容がまとまっているということです。内容が凝縮された文を繋ぎ合わせれば、すべての文が深い意味を持つことになるので、文章全体として内容が濃くなります。
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論述編
論述のテクニック
論述試験には制限時間があります。持ち込みの有り無しでも対策は変わると思いますが、どんな論述試験でも通じるテクニックをご紹介します。
- 開始3分は構成を練る時間
開始と同時に書き始めてはいけません。文章を書く際には、まず構成を考える癖をつけて下さい。開始3分間は自分の考えをまとめて構成を練る時間です。どういった文章構造にするのか、どんな主張を展開するのか、これらが決まってから初めて文章を書いていきます。
- 高速で書いていく
時間切れを起こさないように、考えたことを高速で書いていきます。ここでは細かい誤字脱字や、ちょっとした構成の崩れは気にしなくて良いです。このパートではとにかく分量を増やしていきます。
- 終了5分前には書き終える
見直しの時間を残すため、最低でも終了5分前には書くのを辞めます。書き切れない部分があった場合は切り捨てるか、時間内に書けるならば書いてしまいます。ただし、この場合は見直しの時間がありません。
- 誤字脱字と論理の矛盾を探す
最後の仕上げです。頭をフル稼働させて自分が書いた文章を読んでいきます。誤字脱字は勿論のこと、主張に矛盾がないかチェックします。もし矛盾が見つかった場合は、目立たないようにボカシておくか、思い切って削除します。
量を稼ぐよりも矛盾を取り消す方が重要です。あくまでも展開に筋が通っているかを確認して下さい。
授業内容をフル活用
論述試験では参考文献が使えない場合が多いです。よって、授業内容をフル活用して、主張の根拠を作り出しましょう。
高評価を得るためには、主張に対する根拠が不可欠です。データや著名な学者の意見を用いずに主張したところで、根拠なしと判断されるのがオチです。
そこで、授業内容を根拠にしていきます。教授自身が教えている内容ならば根拠もしっかりしていて、授業を真面目に聞いていた印象も与えられます。
持ち込み禁止の場合は、事前に授業内容を覚えていく必要があります。勉強時間が多くなるのはデメリットであると言えますが、論述試験で満点を取りたい方はぜひこの対策をしてみて下さい。
まとめ
レポート・論述は苦手な学生が多いものの、基本的な技術とコツさえ掴んでしまえば毎回のように満点が取れます。私は暗記系の定期テストよりも論述テストの方が安心するくらいです。
文章力を上げるには、まず論理構成を意識することが重要です。構成が出来てから細かい部分を調整することで、骨組みがしっかりしている文章を書くことが出来ます。読みやすい文章を書くコツは冒頭で書きましたので、ぜひチェックをしてみて下さい。
また、レポートと論述試験の違いを理解することも大事です。レポートはじっくり取り組めるのに対し、論述試験には制限時間が存在します。それぞれの特性を理解したうえで、万全の対策を取って満点を狙いましょう。
ここまで読んでいただいた方は、既に相当な文章力を得ているはずです。あとは何度も練習を重ねることで文章が上手くなります。ぜひ頑張ってくださいね。最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
論述にとって欠かせない、「論理力」を高めるための手法を以下にまとめてあります。本稿と合わせてご覧ください。
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論述とは|優れた書き方を例文で実践
2020/9/25
本稿では、論述についてお悩みの皆さんへ向けて、論述の極意をお伝えします。本稿はどちらかと言えば初心者向きであるものの、文章の骨格である「論述」について改善の方法を詳しく解説していますので、レポートや論 ...